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コイン収集に必須の知識!グレードの読み方を解説【NGC,PCGS】

コインのグレードとは?

アンティークコイン、モダンコインを購入する上で、必ず抑えておきたいポイント。
それは、本物保証があるコインを購入するということです。

コイン収集家の間では、特に世界二大鑑定会社と呼ばれる「NGC」「PCGS」により鑑定された、スラブケース入りのコインを取引することがほとんどです。
が、スラブケースのラベルをはじめてご覧になる方は「一体何の記号や数字が書かれているのだろう…」と迷われるかもしれません。
そこでこの記事では、「NGC」「PCGS」スラブケースに入ったコインの、グレードの読み方をわかりやすく解説します。

記号と数値によるグレーディング

スラブケースのラベルには、コインのグレードを表す下記のような情報が入っています。

  • 記号(MS/PF/PR など)
  • 数値(1~70)
  • 付加情報

それぞれ説明していきます。

記号(MS/PF/PR など)

ラベルには、コインの鋳造方法や、使用状態を表す記号が記載されます。
NGC, PCGSともにグレーディングには「シェルドンスケール」というコインを1-70の段階に分ける基準が採用されています。最も良い状態が70です。
両社はこの基準に従い、記号・数値を表記しています。(PF/PRなど、一部記号の表記が異なるものあり)

MS:Mint State|未使用 70-60

未使用の流通用コイン。
流通目的で鋳造されたが、結果的に市場で使用されなかったものにはこの記号がつく。

PF (NGC) / PR (PCGS):Proof|未使用 70-60

収集用コイン。
流通用とは異なる鋳造過程により、非常に繊細で光沢のある、高品質な仕上がりとなる。

AU:About Uncirculated|準未使用 58-50

少しだけ流通・使用され、若干の摩耗があるもの。

XF:Extremely Fine |極美品 45-40

流通、使用の形跡や摩耗はあるが、状態がよいもの。

Very Fine|美品 35-12

流通により摩耗や傷がみられるが、文字や記号が鮮明であるもの。

これ以下のグレードには下記のようなものがありますが、100年以上前のアンティークコインとしてもそれほど状態のよいとは言えないランクとなります。

F:Fine、VG:Very Good、G:Good、AG:About Good、FR:Fair、PO:Poor

以上が、ラベルに書かれている記号の意味です。
なんとなくでも全体像がわかっていると、「こういうことが書かれているんだな」と安心できるのではないでしょうか。

数値(1~70)

数値によるグレーディングの詳細は下記の通りです。
コイン鋳造時に、文字やデザインが綺麗に打刻されているか、欠損や傷が無いか、など細かい基準で鑑定されています。
NGC, PCGSともに同じ「シェルドンスケール」の基準に従った数値が鑑定されます。

コインの種類によりますが、ざっくりと100年以上前のアンティークコインであればXF40以上モダンコインであれば69や70といったランクが人気です。

記号数値グレードの説明
MS / PF / PR70欠陥のない、完璧に打刻された状態
MS / PF / PR69ほぼ完璧な打刻。よく見るとわずかな欠陥あり
MS / PF / PR68ほぼ完全な打刻。わずかに欠陥あり
MS / PF / PR67よい打刻。わずかに欠陥あり
MS / PF / PR66よい打刻。傷は最小限
MS / PF / PR65よい打刻。若干傷あり
MS / PF / PR64いくつか傷あり。わずかに欠陥あり
MS / PF / PR63中程度の擦り傷や細かい傷あり
MS / PF / PR6263よりも擦り傷や細かい傷あり。摩耗なし
MS / PF / PR61多くの傷または多数の擦り傷あり。摩耗なし
MS / PF / PR60多数の擦り傷、細かい線または大きな傷あり。摩耗なし
AU58デザインの最も高い部分に若干の摩耗あり
AU55デザインの50%未満にわずかな摩耗
AU53デザインの50%以上にわずかな摩耗。高さがある部分はごくわずかに不鮮明
AU50デザインの50%以上にわずかな摩耗。高い部分がわずかに不鮮明
XF45いくつかの高さがある部分に摩耗あり
XF40細部まで完璧だが、重要な部分にわずかな摩耗あり
VF35すべての高いところに摩耗が見られる
VF30デザイン部分がやや不鮮明
VF25デザイン部分が不鮮明
VF20文字や数字は鮮明
VF15凹んだ部分もわずかに不鮮明。文字と数字は鮮明
VF12凹んだ部分がやや不鮮明。文字と数字は鮮明
VG10デザイン全体に摩耗があり、文字と数字が不鮮明
VG8デザイン全体に摩耗があり、文字と数字がさらに不鮮明
G6周辺の文字や数字は鮮明。縁は鮮明
G4周辺の文字や数字は大体鮮明。縁に摩耗あり
AG3ほとんどの文字と数字は判読可能。縁は摩耗
FR2多少のディテールは判読可能。縁はほぼ見えない
PO1コインの日付と種類は識別できる。縁はほぼ平ら

また、1よりもさらに大きな損傷や摩耗がある場合は、数値はつかずに「DETAILS」の記載がある場合もあります。
DETAILSでよく見るものの例として、下記のようなものがあります。

CLEANED:洗浄されている
SURFACE HAIRLINES:表面に細い線のような傷多数あり
REMOVED FROM JEWELRY:アクセサリーから取り外されたもの

コイン状態や鑑定時期についての付加情報

記号・数値以外に、コインの状態に関する追加情報や、発行直後に鑑定されたレア物情報などが記載されることがあります。
非常に多くの種類があるので、ここでは主なものをピックアップしてご紹介します。

コインの状態に関する情報

ULRTA CAMEO  ※NGC
DCAM (DEEP CAMEO) ※PCGS
デザイン部分と背景に強いコントラストがあり、デザインが非常に際立つ仕上がりです。
背景は光沢のある鏡面仕上げで、デザイン部分は強いマット加工がされています。
CAMEOデザイン部分と背景にほどよいコントラストがあり、デザインが際立つ仕上がりです。
背景は光沢のある鏡面仕上げで、デザイン部分はマット加工がされています。
DPL:Deep ProoflikeMS(流通用)の鋳造にもかかわらず、プルーフコインのような強い光沢が見られます。
PL:ProoflikeMS(流通用)の鋳造にもかかわらず、プルーフコインのような光沢が若干見られます。

鑑定時期についての情報

First Day of Issue発行された初日に鑑定会社へ持ち込まれたもの。
最も希少で付加価値が付きやすい。
First Releases / Early Releases / First Strike発行から30日以内に鑑定会社へ持ち込まれたもの。
First Dayほどではないが、付加価値が付きやすい。

より詳しい情報をご確認したい方は、NGC、PCGSのグレーディングについての説明ページをご覧ください。(ご不明な点あればいつでもお尋ねください!)

NGC Coin Grading Scale
PCGS Grading Standards

コインのこと、お気軽にご相談ください

本記事が、コインのグレードに関する理解のお助けになれば幸いです。
ぜひラベルに書かれた情報を楽しんで読み解いてみてください。宝探しのようにワクワクする、コイン収集の醍醐味を味わっていただければと思います。

また、探しているコインがある、種類やグレードについて相談したいという場合は、ぜひお気軽にお声かけください。
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